第7回数学科リレー講座

2016.08.26

  • 数学科
  • 講習

早くも7回目を迎える数学科リレー講座ですが,今年は新モンゴル高校数学科科長のダシュバット先生をゲストにお迎えして開講しています。今回のテーマは「組み合わせ数学」で,特にカタラン数と呼ばれる組み合わせ論で重要な数を軸に据えて6日間の講義が構成されています。カタラン数はベルギーの数学者ウジェーヌ・カタランの名をとって付けられたものですが,実はモンゴル人数学者であるミャンガットの名前をとってミャンガット数と名付けられるべきものだという説もあります。
初日の講義は,前半で川崎先生が6日間のガイダンスを行い,後半はダシュバット先生にモンゴル数学史と新モンゴル高校の軌跡と取り組みをご説明していただきました。また,ダシュバット先生のご説明の通訳をしてくださったのは新モンゴル高校卒業生で国費留学生のエルデムベルグ氏です。
初日を受講した生徒の感想と講習風景の写真を紹介します。

「本日の講義を通して,カタラン数の原理,様々な場面での応用を知ることができ,その奥深さを感じた。べき級数展開や母関数の理論といった聞き慣れない単語も登場したが,とても興味のそそられる内容だった。また,本日は新モンゴル高校のダシュバット先生からもお話しを頂いた。海外の方の講義を聞くのは初めてで,貴重な経験だった。また,モンゴル数学は日常生活の具体的な事象に即して発展したと聞き,文字式を使って抽象的な事象を考える西洋数学とは違う魅力を感じた。最後に,カタランより前にカタラン数を発見していたモンゴル人数学者ミャンガットにちなみ,カタラン数をミャンガット数と言うべきだとの意見がモンゴルであるそうだが,僕もこれに共感する。」中2

「今日は,モンゴル数学の歴史についての素晴らしい講演をしていただき,ありがとうございました。失礼な話なのですが,私は当初,モンゴルと言われると砂漠や草原といったイメージが強く,あまり数学が発展した国だとは思っていませんでした。しかし,この講演を聞いているうちに,ミャンガットをはじめとした数学者を知ることができ,モンゴルという国の数学の発展度のすごさに圧倒され,感銘を受けました。自分は数学に興味があるので,ぜひともまた,機会があれば講演を聞かせてください。ありがとうございました。」中2

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ダシュバット先生(写真奥)によるモンゴル人数学者ミャンガットの紹介とその通訳をしてくださっているエルデムベルグ氏(写真手前)

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生徒の様子