第3回 海城&YSFH数学交流会

2013.02.24

  • 数学科

23日午後2時過ぎから、横浜鶴見区のYSFHにて、標記の会合が行われました。
今回は、日頃よりお世話になっている高口、中山両先生に加え、同校の副校長先生にもご臨席頂きました。
さて、夏の大阪でのマスフェスタを契機に開始されたこの交流ですが、本校1年の恩田直登君と、同校の増田卓斗さん(写真1)が、この3月に次の2ヶ所で講演をすることになりました。1.日本フィボナッチ協会研究集会(10日13時より。於・東京海洋大学。詳細は、日本評論社刊「数学セミナー」最新号に案内あり)2.埼玉大学代数幾何研究集会(27日10時より。於・埼玉大学)。演題は、増田さんが「ペル方程式の解の視覚化」、恩田君が「フィボナッチ数列と互除法に関する一定理」です。また、二人はめでたく揃って審査に合格し、フィールズ賞受賞者の森重文先生が主催される「数学の森」への参加も決まっています。本交流会における、両校のリーダー的存在の二人の活躍に接し、参加者の気勢は上がるばかりで、参加者の数も会を重ねるごとに増えております。
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 <写真1>


さて、今回のプログラムでの講演者は三人(写真2)。増田卓人さんは、マスフェスタで最優秀賞に輝いた(写真3)内容の拡張について、本校高1の井上立之君は、前回の山口哲君の研究を応用した「階乗進法」による暗号および、自作の五次方程式を利用した暗号について(写真4)、そして本校高1の増田康隆君は、前回の恩田君からバトンを受けて、「ガロア理論リレー講義」の第2走者として「群の諸例」について(写真5)、それぞれ講演しました。
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 <写真2>
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 <写真3>
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 <写真4>
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 <写真5>
増田さんは三角数を利用して得た定理を、多角数に拡張して、定理を得られました。その美しさには参加者からため息がもれました。
井上君の暗号は設計途中だそうですが、今後、確実に進展が見込め、期待を抱かせました。同校2年の橋本さんは、「理解するのが難しいところもありましたが、私は暗号に興味があるので、とても楽しく聞けました。今後の進展を楽しみにしています」とのこと。  
また、リレー講義については、YSFHの皆さんが、事前に前回の復習と予習をした上で増田君の講義を迎えてくださったそうで、高1の村野さんは、「とても分かりやすかったです。練習問題を解きながら進められたのでよかったです」とのこと。休憩時、前述の橋本さん、編集子とともに、3次対称群の乗積表の作成をしたのですが、このお二人、いやはや初めてとは思えぬ達者な計算ぶりで、まさに「数学ガール」を思わしめ、楽しいひとときでした。
プログラム終了後は各自が現在、興味をもっている内容について自由に討議し、この若き熱気はとめどもつかない様相を呈し(写真6)、気がつけば開始後、四時間が経過していたのでした。
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 <写真6>
また、今回、本校から初参加の何人かは、初回の交流会で本校勢が驚嘆とともに大感激したYSFH校内ツアーを再度実施して頂き、さらに、蛙を利用した実験のレクチャーをも賜り、一同、興奮のうちに鶴見小野を後に致しました。
ともあれ、3月の増田さん、恩田君の講演の成功を祈念致します。次回の交流会は、四月末から五月中の間を予定しています。YSFHの皆様、今回も誠に有難うございました。
(数学科教員)