• 理科・地学科 中1希望者対象の野外実習~日原鍾乳洞

理科・地学科 中1希望者対象の野外実習~日原鍾乳洞

2017.02.15

  • 地学部
  • 理科

地学科では,中学1年生の希望者を対象に,2月11日(土・祝)を利用して,東京都奥多摩にある日原鍾乳洞に行ってきました.このあたりは,東京都では非常に古い地層(古生代後半の石灰岩)でできています.日原鍾乳洞は,その古い石灰岩が二酸化炭素を含んだ水(雨や地下水)によって溶かされてできた鍾乳洞です.石灰岩が二酸化炭素を含んだ水によって溶かされる作用は,風化作用(特に化学的風化)と言い,中1の1学期で学習しました.鍾乳洞は,化学的風化の典型的な地形の1つで,洞内では,天井から落ちる水滴に含まれる炭酸カルシウム(CaCO3)が固まり,氷柱のように垂れ下がった鍾乳石が見られ,天井からポタポタ落ちる水滴からできた石筍が,まさに筍(タケノコ)のように地面から伸びていました.これらは,非常に長い年月をかけてゆっくり作られたもので,風化作用が作り出した地中の大空間と造形美が素晴らしかったです.教室では,教科書と写真などでしか話ができないのですが,風化や侵食などの地学的現象を,実際に目の当たりにすることができ,深い学びになったのではないでしょうか.

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休日は鍾乳洞の前までバスがなく,東日原バス停で下車.そこから鍾乳洞まで30分くらい徒歩.残雪もある中,稲村岩と呼ばれる石灰岩の岩が現れて撮影.面白い侵食の形をしています.

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舗装された道路沿いですが,静かな深い谷沿いの道をのんびり歩くのも良い体験.

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鍾乳洞に入る前に神社の境内で,お昼ご飯.

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日原鍾乳洞前で記念撮影.いよいよメインの鍾乳洞へ入ります.

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鍾乳石や鍾乳管,石筍,それらがつながった石柱など,多くの鍾乳洞でみられる石灰岩特有の地形が観察できました.長い時間をかけてゆっくり成長した,まさに自然の造形美です.

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左の滑らかな面は「世紀の断層」と呼ばれる断層.人間が削ったのではなく,断層によって地層がずれ,その際に境界部が磨かれてできました.鏡肌といいます.また右手には鍾乳石や石筍があります.
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洞窟内を観察してあるく生徒達

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上から垂れる鍾乳石と下から伸びる石筍がつながった石柱

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授業でも習う河川の浸食による地形.Vの字に下方侵食しているのが良くわかります.頭での理解だけではなく,本物を見るのはとても良い勉強です.

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鍾乳洞を出た前を流れる川に雪がうっすら積もっていて静かで美しい景色でした.

生徒の感想(代表2名):
比較的近く東京都内ではありましたが23区とは違った雰囲気が楽しめました。1学期に授業でもやった鍾乳洞や、化学的風化について実際にこの目で確認できたことは、とても良い経験になりました。様々なところで目にできた鍾乳石や石筍も初めて見るものでとても刺激的でした。1センチ伸びるのに何百年とかけていると思うと、外と比べて湿度が高く、じめじめとした感覚も気にはなりませんでした。そもそも、今自分がいるこの巨大な空間が雨水の化学的風化作用によってできたものだと考えると、自然の力と時の流れに感動しました。また、世紀の断層の面を間近に見られたこともよい経験になりました。

鍾乳洞やその中の地形などは授業でも習いますが、やはり実物を見ると授業で聞くだけよりもよくわかりました。貴重な体験をすることができて、大変良かったです。今後も、同じような野外実習があれば、行きたいと思います。浸食によってつくられた巨大な空洞を目の当たりにして、自然の、物理的かつ時間的スケールの大きさを感じました。その一方で、十二薬師の鍾乳石が折られたことは、大変ひどいと思いました。うっすらと雪の積もった景色もきれいで良かったです。