地学部 2018年信州総文祭に参加

2018.08.09

  • 地学部
  • 理科

8月7日から8月9日の三日間、長野県内で第42回全国高等学校総合文化祭 2018年信州総文祭の自然科学部門が開催され、地学部高3の鈴木泰我君が地学部門の東京都代表として研究発表に参加したほか、高1の2名が観覧生徒として参加しました。
この全国高等学校総合文化祭は、音楽、美術、写真などといった様々な芸術文化活動の各都道府県代表が集結し、互いに高め合い、親睦を深め合う全国の文化部による祭典です。自然科学部門(物理、化学、生物、地学の四部門)は諏訪東京理科大学で行われ、互いの研究成果を発表しあうだけでなく、巡検研修や講演会、交流会などが行われました。様々な面で刺激の多い、充実した三日間になったことと思います。研究発表では、残念ながら入賞することは出来ませんでしたが、今回参加して得た経験を部活動に還元し、今後の研究活動にも生かしていってくれることを期待します。

発表テーマ:東京都新宿区落合地域における水文地質的構造
発表した鈴木君のコメント
「やれることはやったので、結果は真摯に受け止めたい。地学部では、ここまで5回連続で全国大会に参加させてもらっているので、後輩たちには今後とも総文祭に参加し、入賞できるように、ぜひ頑張っていって欲しいと思う」。

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会場入口で記念撮影。

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自然科学部門の会場の諏訪東京大学からの風景。研究発表は四号館で行いました。周りを自然に囲まれており、まさに自然科学部門の研究発表をするにふさわしい舞台でした。

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鈴木君が自身の研究成果をスライドで発表。簡潔で分かりやすいスライドとプレゼンでした。初めて聞く人には難しい研究内容でも、十分伝えられる発表が出来ていたと思います。

また、他校の研究発表やポスター発表の様子も見学し、高1の生徒は手を挙げて質問していました。

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大会のお弁当。パッケージに描かれているキャラクターは長野県の御当地キャラのなび助で県の鳥のライチョウがデザインのもと。ご当地感あふれる雰囲気が楽しめるのも総文祭の魅力のひとつですね。

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巡検研修①船底状窪地の観察。長野県の諏訪青陵高校の生徒さんが、巡検研修の案内を務めてくれました。写真ではなかなか伝わりにくいですが、このあたりが「船底状窪地」であると教えてくれました。

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巡検研修②釜無川。長く険しい獣道を抜けた先に見えたのは、日本のミニ・グランドキャニオンとも呼ばれる、釜無川の侵食作用によって形成された地形でした。この高さ10m幅20mの地形がほぼ全て一度の釜無川の氾濫で形成されたというのですから、驚きです。

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巡検研修③低角逆断層(衝上断層)。釜無川の氾濫によって露出した断層の露頭。写真下が礫層で上が花崗岩質岩石の地層です。ここでは地層の逆転が起こっており、下に位置している礫層のほうが新しいです。この地層の逆転は、この二層の境界が低角の逆断層になっていることが原因として考えられます。

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講演会。今回の講演では信州大学理学部の鈴木啓助教授が「北アルプスの雪氷から考える地球環境」をテーマに講演をしてくださいました。地球温暖化などとも絡めながらの講義は、大変興味深いものでした。

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生徒交流会。ランダムに決定されたいろいろな学校から来た生徒のグループで、ご当地クイズ大会をし、生徒間での交流を行いました。短い時間でしたが、全く違う環境からきた人同士でコミュニケーションをとることは大変良い経験になったと思います。

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会場最寄りの茅野駅に置かれた信州産の黒曜石。和田峠の黒曜石が有名ですね。

全体を通して、学習面でも社会面でも刺激の多い充実した三日間になりました。このような有意義な経験を、後輩にも経験させるという意味でも、今回観覧した生徒を中心に、部員には引き続き頑張っていってもらいたいと思います。