「女性活躍」について国連大学で発表!

2018.11.05

  • KSプロジェクト

10月20日、国連大学にて、ジェンダー啓発のシンポジウム「HeForShe すべての人が輝く社会を目指して ~Generation Zからの提言~」が開催され、SDGsゼミの生徒5名がジェンダー平等の提言を発表しました。SDGsゼミジェンダー班では、このシンポジウムに先立ち、国連機関UN Womenと資生堂共催の「ジェンダー平等啓発ワークショップ」に参加し、ジェンダーについて学んできました。全国からワークショップに参加した25校が、今年度のテーマである「日本社会における女性活躍」についてアクションプランをそれぞれ発表し、予選会を経て選ばれた8校が、シンポジウムでの全国大会の発表の日を迎えました。

男女格差の度合いを示すジェンダーギャップ指数の日本のランキングは、144カ国中114位と、かなり低い順位になっています。海城チームは、特に格差の大きい「政治」と「経済」の分野に注目し、学びと議論を深めました。夏休みには永田町の議員会館を訪問し、女性の政治参画などに取り組む桜井周衆議院議員への取材を実施しました。女性候補者擁立の難しさについてのお話を伺ったことから、その原因分析を行いました。国会議員と経営者を多く輩出する大学をリサーチしたところ、いずれも女子学生比率の低い、所謂難関大学であることがわかりました。難関大学への女子進学率の低さの原因分析と、女子進学率を上げるための考察を行いました。

男子校の生徒は、学校生活において、いわゆる男らしさを意識した振る舞いをする必要がないためか、ジェンダーを意識する機会がほとんどありません。しかし、だからといってジェンダーにとらわれていないわけではありません。ジェンダーについて学ぶことで、生徒自身もジェンダーにとらわれた思考や判断をしていることに気づきます。様々なメディアや私たち周りの大人の固定観念によって、無意識のうちに植え付けられているのです。難関大学や理系大学への女子の進学率の低さも、そのようなジェンダー意識の形成が一因となっています。

海城チームは、男子to男子の啓発活動が有効であると考え、その方法について具体的な提言を行いました。また、実際に行った活動についての報告も行いました。中高生がジェンダーにとらわれて、個々の選択や可能性が狭まることは望ましいことではありません。男子校の生徒たちが、日頃意識しないジェンダーについて考えることは、性別にとらわれず、より一層自分らしさと向き合うことに繋がります。活動はまだ始まったばかりですが、まずは身近な男子to男子の活動を続けていこうと張り切っています。

シンポジウムのスペシャルゲストである次期駐日欧州連合大使のパトリシア・フロア氏は、スピーチの中で、ジェンダーギャップの大きい日本において、このシンポジウムに男子校が参加することの意義はとても大きいと述べられ、大変勇気づけられました。

ジェンダー課題への取り組みを通して、男子の無意識レベルでのジェンダー課題の掘り起こしや気づきが、とても大切であると感じました。多様性の時代をしなやかに生きていくために、広い視野と深い見識を身につけていけるよう、これからも楽しく活動を続けていきたいと考えています。