地学部新春巡検 忍野八海&長瀞

2019.01.25

  • 地学部

地学部では、新年が明けた4日に山梨県の忍野八海で、6日に埼玉県の長瀞で野外巡検を行いました。簡単にではありますが、それぞれご報告します。

1月4日 忍野八海

忍野八海は富士山の溶岩流の中を流れてきた地下水(伏流水)が地表に湧き出たもので、その名の通り八つの湖があります。今回の巡検ではその一つ一つを日帰りで回ってきました。朝早くから高速バスで移動したためかなりハードな巡検になってしまいましたが、富士山の偉大な自然に触れることができて、貴重な経験になったと思います。
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今回の巡検では高速バスを利用しました。道中の車窓からですら圧倒的な存在感の富士山に、気分が高まります。

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八つの池には写真のようにそれぞれ神様が祀られていることから、それぞれの池を一番霊場、二番霊場というように呼びます。写真は、八海の中で最大の大きさを持つ一番霊場の出口池です。

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忍野八海の中で最大の湧出量を誇る涌井です。水が透き通っているだけでなく青々としていて幻想的でした。この池の湧出孔は湖の底の溶岩の隙間から湧き出していて、忍野八海の水が富士山の伏流水だということがわかります。

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忍野八海からの富士山です。この写真からもわかる忍野八海と富士山との距離感の近さが、富士山と忍野八海の地学的関係を主張しているように思えました。他にも見どころは多く、生徒たちはたくさんの写真と経験をお土産にしていました。

 

1月6日 長瀞

長瀞は「日本地質学発祥の地」と言われる場所です。地下20~30㎞で高い圧力を受け、元の岩石の性質が変わった結晶片岩という変成岩がたくさん見られることから、「地球の窓」とも言われます。その結晶片岩の割れやすい方向に沿って荒川による侵食がすすみ、岩石段丘となった「岩畳」や、くぼみにはさまった石が長い間激しい流水の力で回転し、川底に穴をあけた甌穴(ポットホール)など、見どころがたくさんあります。

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1月6日は部分日食が見られた日で、集合場所である親鼻駅から、簡単に観察しました。

19.01.06アイフォン
日食グラスにスマートフォンを当てた撮影した太陽。

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指で作ったピンホールからの光を服に移した様子。

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紅簾石片岩の露頭には大きな甌穴(ポットホール)が見られます。

 

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岩畳の上を歩く生徒。結晶片岩が侵食されてできた景観は、まさに岩でできた畳のようです。

 

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宮沢賢治が『つくづくと「粋なもやうの博多帯」荒川ぎしの片岩のいろ』と詠んだ「虎岩」(スティルプノメレン片岩)

 

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「日本地質学発祥の地」の碑。

 

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埼玉県立自然の博物館で、まだ秩父が海だったころ(1500万年前)の巨大なサメであるメガロドンの復元模型や、海獣パレオパラドキシアの骨格標本などを見学しました。

 

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埼玉県立自然の博物館では、このとき水晶展が開かれており、鉱物好きな生徒たちは熱心に見ていました。