地学部 上野原巡検

2019.04.06

  • 地学部

地学部では4月3日に山梨県上野原市にて巡検を行いました。
上野原駅周辺は河岸段丘が顕著にみられる地域として有名です。集合場所となった上野原駅は段丘崖にへばりつくように狭い土地に立地しています。
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満開の桜のなかを、段丘崖に沿って中央線特急が走ります。
まず、段丘を形成した桂川にかかる橋から地形を俯瞰した後、桂川の水質調査を行いました。
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先輩を見習いながら、新中学2年生の部員もテキパキと作業をこなせるようになりました。

駅にはビルが建てられ、対岸の段丘がよくみられるようになりました。引率教員が学生のころはこうした施設がなく、段丘を見るために一生懸命に山を登っていたのですが・・・。
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駅周辺で段丘を観察した後は、市街地の広がる段丘面上へ移動します。当然ながら急斜・階段が続きます。
上野原は甲州街道の宿場町であり、段丘面上の甲州街道に沿って商店が並びます。宿場町らしく街道に垂直にいくつもの道路が並びますが、ある程度離れた所にある牛倉神社を境に道路の角度が変わります。
河岸段丘の縁から垂直にひかれた道路と街道から垂直にひかれた道路の交わる点がこの神社周辺です。神社にて、生徒は地図を見ながらそうしたことも考察しました(今回はブラタモリ寄りな巡検です)。

その後,段丘面上の農業用水を確保するためのため池に向かいました。
地図上では2つあるはずなのですが、1つが見つかりません。上級生が地元の方に質問すると、近年、福祉施設の駐車場にするためにため池を埋めたとのこと。
こうした疑問を持った時にサッと質問できるのが上級生の強みです。地学的な考察でも、計器だけを頼りに考察できるわけではありません。
残っているため池は「ため池百選」にもなっている月見が池です。富士山が見えます。
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ここでも水質調査をしてみました。
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お昼は再び河川敷まで降りて、お花見昼食です。生徒も春休み中ののんびりとした時間を楽しんでいました。
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午後は上野原駅から一駅西に移動して四方津駅へ。
地形を大規模に改変して作られた住宅地があります。
河川や駅周辺からの急こう配をエスカレーター・エレベーターがつなぎます。
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地学の内容と離れていても、こうした乗り物には生徒は興味を示します。エレベーターからは対岸の河岸段丘を観察することもできました。

今回はやや人文社会的な内容も含まれた巡検となりました。多くの巡検を重ねる部員には、見方の幅も広げていってもらいたいです。