地学 野辺山天体観察会

2020.01.14

  • 地学部
  • 理科

報告が遅くなってしまいましたが、昨年12月25日(水)から12月27日(金)の3日間、中学生16名、高校生17名の合計33名で、長野県の野辺山で天体観察会を行いました。

今回は、例年お世話になっている清里のペンションではなく、初めて野辺山のロッヂでの合宿になりましたが、宿の方や、実行委員として頑張ってくれた生徒のおかげで、無事に2泊3日を終えることができました。

1日目、野辺山に向かう途中で小淵沢駅でいったん降りて、大滝湧水や八反歩堰、三峰の丘を見ました。大滝湧水は「八ヶ岳南麓高原湧水群」として環境省の名水百選に認定されており、その水を田畑にいきわたらせる用水路が八反歩堰です。この時期は水が張られていないものの、きれいな棚田の風景が広がります。三峰の丘は、富士山、北岳、奥穂高岳という日本でベスト3の高さの山が一度に見られる丘です。

野辺山1
大滝湧水。くりぬいた木を伝わって湧水が流れ落ちていきます。

野辺山2
水源から水を汲み、飲んでいる生徒もいました。

野辺山3
八反歩堰のまわりの「上笹尾の棚田」。夏に訪れてみたい場所です。

野辺山4
三峰の丘から眺める富士。電車好きにも知られた場所のようです。

宿に到着して夕食をいただき、その後、外に出て星を見ました。この日は夜半頃まで晴れていたため、遅くまで粘って観察したり撮影したりしていた生徒もいました。

野辺山5
一日目の夕飯は焼肉でした。きれいに平らげて天体観察の準備万端です。

野辺山6
撮影している様子の写真を撮り忘れてしまいましたが、それぞれに楽しんでいる様子でした。

2日目の午前中は雪合戦に興じる生徒も多かったです。都心ではなかなかできない遊びです。地学とは直接関係ありませんが、これも「自然と触れる」ことの一環と言えるしょう。

野辺山7
雪だるまを作る生徒。

野辺山8
雪合戦する生徒。

昼食後、宿から歩いていける距離にある「国立天文台 野辺山宇宙電波観測所」を訪れて見学しました。ちょうどこのとき、部分日食が見られるタイミングにあたっており、期待していた生徒も多かったのですが、残念ながら曇りのため部分日食は全く見えませんでした。

野辺山10
野辺山11
野辺山天文台見学の様子。

天文台から戻ってきて夕食をとった後、空が晴れていなかったので、上級生、顧問による講義やレクレーションを行いました。
野辺山9
講義の様子。

講義が終わった後も引き続き曇り空で、時折雪もちらつく生憎の天気でした。明け方までほとんど星が見えず残念でしたが、自然が相手のことなので、このようなことも十分起こります。「一日目にもっと遅くまで見ておくべきだった」と思った生徒もいたようですが、それも一つの学びです。今後に生かしてもらえればと思います。

帰りに、野辺山駅前で記念の集合写真を撮影し、解散しました。

野辺山12
野辺山駅は、JRでは最も高い場所にあります

以下、生徒の感想を紹介します。

[中2生徒]
1日目は、大滝湧水を見学しました。わさびを栽培できるほど冷たくてきれいな水でしたし、とても美味しかったです。あとで地質図を見ていると、八ヶ岳から出てきた溶岩が大滝湧水の場所に顔を出しているようでした。行く前に地質図だけでも見ておけば良かったと反省してます。
星空撮影は、去年、カメラの設定に失敗した反省から、今年はかなりきれいな写真を撮ることができました。2時くらいまで粘ることができて良かったです。オリオン大星雲も撮れていたので良かったと思います。清里よりもコンディションは良いとは言えませんが公園あたりは風が遮られ観測しやすいと感じました。来年こそは赤道儀を使った撮影に挑戦したいです。
2日目は、部分日食を見ることが出来ずとても悔しかったです。太陽望遠鏡も使いたかったですが叶いませんでした。天文台は、以前行ったことがあるものの、展示がアップデートされていてとても面白かったです。夜の顧問の講義はとてもためになったと思います。中3くらいから何か研究に取り組もうと思っていたところなので参考になりました。
最後になりますが、引率してくださった先生方、お世話になったオーナー様、本当にありがとうございました。

[高1生徒]
1日目
中二以来毎年参加しているので、さすがに中央本線から見る景色に新たな発見はないだろうと思っていましたが、「これはスクエアに載っていたあれではないか!」といったように新たな発見が何個かあり、知識を蓄えた上で観察していると面白いなと感じました。
夜は、コンディションが良い時間にオリオン座をはじめとしていくつかの星の写真を撮ることができました。しかし、二日目もあるのだからという考えで休憩を多く挟みながら楽しく観測をしました。二日目の天候を事前にある程度把握できていればもっと必死に観測をしていたと思います。このことが今回の合宿の最大の心残りです。
二日目
野辺山電波観測所に向かいました。今まで清里に行った時は毎回獅子岩へ行っていたので実は初めてでした。写真などで見る以上に大きなアンテナに驚きました。また、最近天文への興味が出てきており、パネルでの説明も非常に興味深く読んでいました。
そして、戻った後の顧問の、地質の解説は本当に面白かったです。あっという間の時間でした。野辺山一帯の地質について知ることができただけではなく、最初に書いたことと重なりますが、知識や理解がある人とない僕らとでは見えている世界が違うのだろうなと思いました。自分自身も勉強を重ねて、顧問のレベルの話ができるようになりたいと強く感じました。また、研究もおとめと高一の3つの研究しか今地学部では行われていない中で、自分が柱プロとして後輩に残せるテーマはあるのだろうかという観点でも柱状節理研究を考えるようになりました。僕が今やっているテーマは来年で決着をある程度付けれると思っているので、引き継げるテーマは何なのかということは今後も引き続き意識していきたいと思っています。
また、夜の雑談は合宿の趣旨とは違いますが、楽しいものでした。本当に良い仲間に恵まれたなと思います。
最後に、引率をしてくださった先生方、お世話になったオーナーさん、厳しい状況の中良い環境の宿を見つけ出してくれた池田くんに感謝を申し上げます。ありがとうございました。