モンゴルだより

2023.06.12

  • グローバル教育
  • 数学科
  • 数学部

コロナ禍下で、本校のモンゴルスタディツアーが中止を余儀される中、提携校の新モンゴル高校も休校期間が長きにわたり、両校のオンラインでの交流も休止中でした。

僅かに、両校関係者間のオンラインによる情報交換や、昨年度、新モンゴル高校卒業生で、現在、東京医科歯科大や国際医療福祉大で医学部に学ぶ方々が本校を訪問され、在校生に向けて、今日のモンゴル事情をレクチャー頂く会が催され、多くの中学生が参加して交流が継続されてきました。

漸く、日本でコロナが5類となったことを機に、本格的な交流再開の運びとなりました。

まず、6月2日、互いに今年度から新校長となった、大迫、ルハグアドルジ(通称ドルジ)両先生により、両校の変わらぬ友情と、交流の発展が話されました。

ドルジ校長先生のご専門は数学であり、ここ数年、互いに国際数学オリンピックの国家代表場選手を輩出する両校だけに、次回のモンゴルスタディツアーは、従来の形に加え、両校の数学競技を加えてはどうか、という提案をはじめ、多くの意欲的なご提案がありました。

翌週の7日には、本校数学部と、新モンゴル中学3年と新モンゴル高校1年それぞれの有志の、合わせて30人余の参加による『数学交流会』が久しぶりに復活しました。

まず、新モンゴル側からは、国際数学オリンピック出場を目指し、日夜その対策に余念がないという、中学3年のメンデバヤル君から、ウランバートル市の数学オリンピヤードで出題された興味深い問題の紹介がされ、海城の生徒たちがチャレンジしました。

本校で数学の猛者?!でなる彼らにあっても、なかなか解くことはできずタイムアップ。同君の工夫になるという手法が紹介され、その鮮やかさに拍手とともに、首を横に振って「とてもとても考えつかない」というポーズでお手上げという生徒が続出しました。

後半は、本校の数学部部長によるオリジナルの研究発表でした。

質疑応答の際、何人もの新モンゴルの生徒からの質問や提案がなされ、「この部分がクリアになれば定理にできると思われるので次回にはそれを発表できるように努力したい」という本校数学部部長に、さきに発表したメンデバヤル君が、それに対する自分のアイデアが湧いたので聞いて欲しい、と話をしてくれ、そのアイデアの卓抜さに、数学部部長から「良かったら共同研究をしてもらえませんか」と依頼したところ、「是非やってみたい。やりましょう!」となり、交流会としてまたとない素晴らしい形で、復活交流は幕を閉じました。

ちなみに、オリンピヤード問題は倍数判定に関するもので、本校部長のオリジナル研究は、双子素数とオイラー関数によるものでした。

新モンゴル学園は来週、早くも夏休みに入ります。今年度はナーダム祭も多くの観光客が訪れて、盛大に行われることでしょう。

ともあれ、今後、旧に倍する実りある交流が期待されます。

最後に、新モンゴル高校の皆様、とりわけボロルマー外交部部長、ダシバット数学科科長、ツォグジャルガル先生、ダーリーバモ先生のご尽力に心からの感謝を申し上げます。