2025モンゴルスタディーツアー 9「数学グループ報告」
2025.08.07
モンゴルスタディツアー数学グループ報告
本ツアーでの数学グループのイベントは次の3つです:
① 8/5 新モンゴル高校での研究発表
② 8/6 新モンゴル中高、新モンゴル日馬富士中高、オロンログ、オロンログ数学学校、海城の五校対抗国際数学親善試合
③ IMCモンゴル国代表チーム強化練習見学
有名な国際数学オリンピックIMO(本年はオーストラリアで開催)の中学生版として国際数学競技会(IMC)があります。
世界約80カ国が参加する数学の大イベント(日本はここ何年かは不参加)で、今年は来週、ベトナムのダナンで行われます(https://imcompetition-official.org/)。
その直前強化練習に外国人として特別に見学を許された③については、ここでリポートすることはできかねますので、①と②についてリポートします。
まず、①ですが、多くのモンゴル人のメンタリティに合致し、良いスコアが大学進学にも直結する数学オリンピアードが盛んなモンゴルは、高校生の数学研究についてはあまり例がないそうです。
しかし、新モンゴルでは今後、競技数学と数学研究を今後の数学教育の両輪として行きたいとのことで、中高生の数学研究の実例として、本校からの発表に期待を頂きました。
結果、数学グループ3人の発表から非常に多くの示唆を得た、と新モンゴル高校数学科の先生方と多くの高校生より大きな反響を頂きました。
今後は定期的なオンライン発表会、両校での共著作成などを約しました。
次に②についてですが、これは手に汗握る大一番となりました。
まず、先日、モンゴル国より最優秀教員として叙勲を受けたアルタンゲレル大会実行委員長より開会宣言及び、不正防止のために、選手のスマホの提出の要請があり、厳粛なムードが漂います。
海城チームは相当な精鋭で構成されているものの、前回、海城と共に覇者校である日馬富士チーム、「モンゴルの数学はここ」と言われるオロンログからは、グループ二校からの参加。
とりわけ、オロンログ数学学校チームは、国際数学オリンピックモンゴル国代表選手を擁すまさに強豪です。
そして、主催校の新モンゴルチームは、来週、ベトナムのダナンでのIMCへ出場する選手2名を擁すという、各校まさに必勝の構えの中で大会はスタートしました。
チーム戦、個人戦を取り混ぜた全8戦全14点で争われるこの試合。
海城チームは幸先よく3連勝し、あるいはストレート勝ちでの優勝も!の期待が膨らみます。
しかし、その後、まさかの3連敗を喫し、第7戦は全チームが得点。
この時点で、
1位が新モンゴルの8点、2位が海城の7点、3位がオロンログ数学学校の6点です。
最終の第8問は記述問題で3点満点ゆえ、優勝はこの3チームのいずれかに絞られました。
果たして、第8戦が終わり、採点官が慎重に協議を続けるなか、新モンゴルチームが呼ばれ、記述の意図の質問を受けています。
緊張する時間が続く中、それを和らいでくれたのが高校生による素晴らしい馬頭琴演奏でした。
弁明を終え、晴々とした表情で自席へ戻った新モンゴルチーム。
そして、結果発表です。
まず、オロンログ数学学校は1.5点。
合計7.5点にとどまり優勝は無くなりました。
新モンゴルも1.5点で合計9.5点。
となると、海城が2点以下では新モンゴルが逃げ切り優勝となります。
緊迫するムードの中、アルタンゲレル委員長から発せられた「海城、3点満点」に、海城チームの歓喜の声と、他チームからの賞賛の拍手で会場は最高潮となりました。
それにしても、0.5点差のまさに大逆転勝利となり、観客席の引率教員は喜びとともに、ドッと力が抜けました。
まさに、事実は小説より奇なり、を地で行く展開でした。
閉会式では、大会委員長より、この日のために用意して頂いたという、新モンゴル&海城提携10周年記念大会の優勝クリスタルトロフィーが授与されました。
大会後はリラックスムードでエールの交換が行われました。
海城チーム、おめでとう!
そして、参加してくださった選手の皆さんの今後の益々の活躍、とりわけ、来週ベトナムでのIMCに参加する皆さんの優勝を心より祈念します。
(数学グループ引率教員)