2025年度 数学科リレー講座 3日目
2025.08.20
「ルベーグ生誕150年記念」と銘打って開講されている本年度の数学科リレー講座、3日目は「リーマン積分」をテーマとして講義を展開しました。
19世紀中頃、積分法はリーマンの手によってリーマン積分として現代流に(厳密に)まとめられました。講座前半は、積分を面積/体積で定義するという考え方を概観した後、より精密な定義としてリーマン和を紹介しました。
後半は、積分できる関数の条件はリーマン和が収束する条件であることや、「不定」積分の本来の意味について触れた後、最重要定理である「微積分学の基本定理」を証明し、2日目に扱った「微分」が積分の逆演算であることが確認できました。積分自体を初めて学習した中学生の受講者も、整関数の積分の演習問題に意欲的に取り組んでいる姿が印象的でした。
最後に、(リーマン積分が孕むいくつかの欠陥の1つとして)ディリクレ関数がリーマン積分できないことを示しました。ディリクレ関数が積分できるよう、積分を拡張したのがルベーグです。後半の3日間ではこのルベーグ積分について取り扱っていきます。
受講生の声
中学2年生
・高校生の範囲が授業で取り扱われて、考えなければならない問題がたくさんあったが、仕組みを理解したときに全て分かる爽快感があり、来年も受講したいと思った。高校生と同じレベルになれたと感じた。
・リーマン和についてとても分かりやすくかつ論理的に解説していて、積分について振り返って勉強するきっかけになった。
中学3年生
・個人的には今まで受けた中でも結構難しいと感じたけれど、今まで習ったことも考えたこともなかった積分を知る経験になったし、興味をもつきっかけになって良かったです。
・原始関数、不定積分、定積分など覚えなければならない単語が多く難しかったが、微分をするための公式を使って少し問題を解くことができて有意義な時間だった。
高校1年生
・定積分と不定積分、微分の関係がよく分かった。なぜ積分で面積が求まるのか分からなかったが、不定積分が定積分の一般化のようなものである、ということを知って、定積分の利便性も実感でき、とても実りのある講座だった。
・直近4回分のリレー講座に毎年参加しているが、前半の中では一番中身があったと感じている。やっているテーマが明確な分、意味が理解しやすかった。数Ⅱの範囲はリーマン積分で問題ないので、2,3日目で学んだことで予習でき助かった。