みなかみスタディツアー 社会コース【東大院都市デザイン研究室訪問】
2025.08.25
みなかみスタディツアーの社会コースでは,ツアー前の8月22日,「学」の立場で水上温泉にて産官学金連携の廃墟再生プロジェクトを担う東京大学大学院都市デザイン研究室を訪問。同じフィールドを研究対象とすることから,生徒たちが自らアポを取り,研究室の大学院生たちとの温泉街再生に関する意見交換会を実現させました。
まずは,院生側からプロジェクトのねらい,現状,目指すところの説明があり,海城生側から過去3年間の活動を報告しました。その後,質疑応答に移り,海城生側から様々な質問が飛び交い,院生側から示唆に富む回答が続きました。例えば,「県内に多くの温泉街がある中,水上温泉はどう位置付けられるのか?」に対し,「たしかに草津などがある中,温泉資源だけを打ち出しては厳しい。みなかみは温泉だけでなく,自然環境や多様なアクティビティ,アクセスの良さなどの強みを持つ。それらを融合した打ち出し方が大事。しかし,アクセスが良いだけに,日帰りで来訪することも可能。長く滞在する来訪者を増やすことが課題。宿泊施設やその価格帯の多様化,ワーケーションの施設の充実も大切」との回答がありました。すると,海城生側からは「平穏に暮らしたいと考える地域住民からは観光地化に否定的な声はなかったのか?」「廃墟を再生しても,その新たな旅館の従業員,新幹線駅からの二次交通を支える労働力などはどう確保するのか?」といった質問が矢継ぎ早に飛びました。地域住民の声については,「多様な属性の住民やグループと丁寧に意見交換会を実施しているが,関心を持っていないのか否定的なのか,まだ接触できていない住民はいる。そのような方々がどのような意見を持っているのかはわからない。しかし,孤立して生活することは難しく,どこかでそのような方々のコミュニティはあるはず。学生は政治的しがらみなどもないので,住民から率直な意見は拾いやすいはず。ぜひ,海城生には積極的に聞き取り調査を実施し,これまで明らかにならなかった声を拾い上げてほしい」と逆に課題を投げかけられました。
このようなやりとりをしているうちに,あっという間に予定の2時間を超えてしまいました。最後に,住民へのインタビューの心得などの助言をもらい,解散となりました。貴重な情報をいただき,25日よりスタディツアーのスタートです。東京大学大学院都市デザイン研究室の学生のみなさん,ありがとうございました。