海城理科総合講座

2011.02.23

  • 理科

 昨年度から始めた理科総合講座が,今年度も3学期の講習として行われました。この講座の目的は,授業の復習や受験のための問題演習ではなく,普段の授業では扱わない,もしくは触れないことなどをテーマに,理科の複数の教員が講義を行うことです。生徒の感想では,授業とは一味違う深い内容に触れ,難しいながらも興味や関心を持ったものが多かったようです。終了後は,生徒の質問などもあり,教員としても楽しい議論ができることもあり,この講習で得られた興味や関心が,普段の理科の勉強や将来に役立ってくれればと思いました。
 以下に,今回行われた講習内容を紹介します。
1月25日 岩井先生
「光速不変の原理」
真空中を伝わる光の速さはおよそ秒速30万km。この値は、止まっている人から見ても動いている人から見ても同じ値になる、という「光速不変の原理」。この原理から導かれる、日常の感覚では理解しにくい世界を、少し覗いてみませんか?
2月8日 上村先生
「極地(極値)の自然から見えてくるもの 」
南極の自然は,地球上でも特異である。 我々に身近な世界からは, ずいぶんかけ離れた世界を研究することで,何が見えてくるのか? 地球環境をはじめ、様々な自然現象の窓としての役割をもつ南極観測の一部を紹介します。
2月15日 平田先生
「有機合成における触媒について」
2010年のノーベル化学賞は、2人の日本人化学者(鈴木章氏・根岸英一氏)が受賞しました。両氏らが研究した「クロスカップリング反応」は、私たちの身の回りにある医薬品,液晶,有機ELなどの製造が可能にしました。この講座では、クロスカップリング反応を解説するとともに、有機合成における触媒についての最近の研究や研究手法などを紹介します。
2月22日 石塚先生
「幻を生み出す脳 ——脳の不思議」
・事故で切断されたはずの腕がまだある!?
・見えないはずのものが見える!?
など、奇妙な症例を手掛かりに、脳のしくみについて考えます。さらに、人間の脳と機械をつなぐBMI(Brain-machine Interface)も紹介します。
(理科総合講座 担当者一同)
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第3回の様子。ノーベル化学賞の内容に関連した興味深い講義でした。